2017年04月30日

つばめ

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ある朝、目覚めた瞬間にまた悲しみが襲ってきた。

私が亡き人に課したある過酷な事のために

私は激しく後悔した。可哀想なことをしてしまった。

許しを乞うても、当人がもはやいない、

という事が耐えられなかった。


過去のスイッチを切るには遅すぎた。

思考がもう次々に作動してしまっていた。


それで激しく泣いた。

泣いて泣いて、なりふり構わず

寝床の中で身をよじって泣いた。


私はその瞬間この世に一人ぼっちだった。

みじめだった。取り残されてしまった。

夫の姿を求めて、求めて、すがった。

涙はどんどんほとばしり出た。


そのまま死ねたらどんなにいいだろう。

この絶望の絶壁から飛び降りたかった。

私は悲しみの塊となった。

でもそこから逃げることはしなかった。

もう絶対に逃げはしない。。。。絶対に。


宇宙すべてを引き入れて強欲とも言えるほど

悲しみに浸るだけだった。。。。。


私は悲しいのだ。悲しみは私だ。

私の「中」に悲しみがあるのではない。

私はひたすら悲しみと一つになった。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。


激しく泣いているうちに、疲れ果て

もう涙のきっかけさえ忘れてしまった。

ただ泣いているだけだった。

ただ感情の海の渦に巻き込まれていた。


気のすむまで泣いたあと、しばらく

じっとしていた。。。。。からっぽになった。

壊れたロボットのような状態だった。

そうだ。。。本当にロボットなのだった。

「自我」は悲しみで叩きのめされたのだ。


何もしたくなかった、動きたくなかった。

何の願いも、望みもなかった。

でも何かのエネルギーが体にたまっていた。

それが私を動かした。


からっぽのまま私はのろのろと立ち上がって

ベランダに面したカーテンを開けた。


向こうの山々や空とこっちの間に

縫うようにすばやく何かが飛んでいる。


何だろう。。。私はじっと集中した。

そこに思考はなく、自分もなかった。

ただ「見ること」だけがあった。


水平に飛んでいる。。。二羽、三羽。。。

ス〜イ、ス〜イ。。。あっ!ひるがえった。

あれはムクドリなんかじゃない。。。。。

それがつばめだとわかるまで

だいぶ時間がかかった。

それは真空の瞑想状態だった。


そのうちに「思考」や「知識」が戻ってきた。

つばめが飛来していたのか!

こんな沢山のつばめは

東京では見たことがなかった。


まだこんなに寒いのに。。。。。

元気一杯のつばめたち。


子供たちにエサを取ろうと

必死になっている。

朝からご苦労さんだね。

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つばめを目で追っているうちに

また思考は消え去った。

私も一緒に空を自由に飛んでいた。

つばめは私だった。

そこにもう悲しみはなかった。

跡形もなく消えていた。

そしてただあの存在だけがあった。。。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アクセス、ご訪問ありがとうございます。

今日もこの「今」とあなたに感謝。





















posted by おとめ at 19:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 悲しみについて
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